11/19 住環境特別大講演会を開催しました~人間関係を改善進化させる住環境とは~

11月19日、私が事務局長を務める日本建築医学協会にて、講演会を開催しました。 今回は3年ぶりとなる会場開催でしたが、直前でやはり感染拡大のため会場人数を大幅に制限することになりました。また、初めての会場とオンライン同時開催となりました。

司会 小神侑岳
開会挨拶 宇佐美副理事長

「人間関係を改善進化させる住環境とは」をテーマに、トータルヘルス研究所の落合先生、当協会の松永理事長より、医学や住環境の観点から様々なお話をして頂きました。

落合先生は「トータルヘルス研究からみる人間関係」と題して、脳進化からみる人間関係、生物学からみる人間関係、など様々な観点からお話されました。

現状の世界は、エゴ主体の支配・従属関係、闘争関係的社会が蔓延しており、エゴイズムからヒューマニズムへの移行が大切であるということから、そのために必要な具体的な行動ポイントや、住環境に関する知見もお話して下さいました。

落合正浩先生

人間の体重に対する脳の大きさは異常に大きく、それは他の人間との関係性を築いてきたことに大きく原因するようです。脳内神経伝達物質ではオキシトシンが重要であり、そのためには心地よい五感刺激や、それを得られる住環境が必要ということでした。

また、逆に人間関係を破壊するものとして、アルコールの危険性について説明して下さいました。なんと、アルコールは有害薬物ランキングの中で圧倒的にトップであるとのことです。

落合正浩先生

建築医学は良い人間関係を育む住環境だけでなく、地域環境の実現まで寄与することができるということで、建築医学の可能性も大きく示唆して下さいました。

松永修岳理事長からは「人間関係を豊かにする住環境、破壊する住環境」という演題でご講演頂きました。

ハーバード大学の幸福学の研究から、我々を健康で幸福にするのは良い人間関係であるということで、少数でも心から信頼できる人をつくることが大切であるということでした。

松永修岳理事長

人間関係が壊れる一番の原因は怒りであり、怒りをコントロールするのは脳の前頭葉です。家などが散らかっていたりすると、前頭葉は壊れてしまいます。また、不快な匂いも前頭葉を破壊してしまうということです。

講演の中では、アロマの香りによって脳を整える方法を多く教えてくださいました。例えば、嫌なことを言われたときはジュニパーの香り、不安が生じたときにはネロリの香りが効果的とのことです。他にも色々な状況に応じて様々な使い分けを教えてくださいました。

五感を通じて脳に情報が入り、それが心をつくり、行動をつくっていきます。また、瞑想は五感から入ってくる情報をあるがままに見ることができるようになるといいます。

松永修岳理事長

一番の人間関係のストレスは夫婦間のストレスであるということで、夫の攻撃性が強くなる環境、
妻の攻撃性が強くなる環境などについて詳しく説明して下さいました。

間接照明や室内に彩りを与えることで豊かな環境をつくることが可能です。人間関係を整えるためにも環境が重要なテーマになってきます。人間の心や精神性を高めるために建築医学が必要であるということでした。

お二人に対する質疑応答の時間では、参加者からの率直な質問に対し、幅広い分野まで話が及び、より一段と講演の内容を深められる時間となりました。

質疑応答

参加者からは
「人間の未来を暗示する考えた事もない角度からの指摘に感動しました。
今後も教育に携わる者として大いに学び実践していきたいと思います。」
「人間関係が一番の幸福をもたらすことがよくわかりました。」
「大変興味深い内容で、とても充実した内容でした。
具体的に必要なことが分かりとても参考になりました。」
などの声を頂きました。

会場では、久しぶりにリアルでお会いできた理事の方やお客様もいて、お会いできてとても嬉しかったです。ありがとうございました。

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